長崎県壱岐市にある柳田保育所は、地域の人々から愛され続けた歴史ある施設です。この度、62年間の歴史に幕を下ろすこととなり、多くの人々がその別れを惜しむ閉園式が行われました。
柳田保育所の閉園式は、2023年3月25日に開催されました。園児と保護者、地域住民ら約70人が集まり、62年間の歴史に別れを告げました。式典では、園児2人が保育所名の入ったプレートを篠原一生市長に返納し、皆で園の歴史を振り返るなど、感慨深いひとときが共有されました。
1963年に開所した柳田保育所は、地域のニーズに応えるべく設置された「へき地保育所」で、3歳以上の子どもたちが通うことができました。多くの園児を育て送り出しましたが、近年では地域の人口減少に伴い園児数が減少し、閉園が決定されました。
柳田保育所は、単なる保育施設という枠を超えて、地域住民との交流が盛んに行われていた場所です。柳田地区公民館と同じ建物に位置していたため、高齢者を含む地域の方々と園児が自然に交流する機会が多くありました。谷口覚公民館長も「明るく優しく、あいさつをよくする子どもたちは、地域の宝だった」と話しています。
閉園に際しては、卒園する園児を優しく送り出す伝統が続いていました。この日は13人が卒園し、保護者や関係者らは温かい拍手でこれを見送りました。残る8人の園児についても、近隣の保育所や幼稚園に通う手配がなされており、地域の一貫した教育環境が確保されています。
柳田保育所の閉園式は、2023年3月25日に行われました。また、同じ壱岐市内の志原保育所でも30日に閉園式が予定されており、この時期は地域の教育に関わる大きな転換点を迎えています。
壱岐市郷ノ浦町に位置する柳田保育所は、壱岐島内の主要な集落からアクセスが便利な立地にあります。公共交通機関の利用や、車でのアクセスも比較的容易で、地域の方々や訪問者が気軽に訪れることができる場所でした。
長崎県壱岐市にある柳田保育所の閉園は、地域にとって大きな節目となりました。住民、保護者、そして園児たちにとって大切な思い出の場所であり、温かい地域社会の象徴でもあったこの保育所が、62年の歴史に幕を下ろしたことは、悲しみと同時に次世代への希望を託した瞬間でもありました。地域に深く根付いた人々の心を感じられるエピソードとして、この閉園式は訪れる価値のあるイベントであったと言えるでしょう。
長崎県壱岐市郷ノ浦町柳田触