土師の獅子舞は、文化と歴史が交錯する福岡県嘉穂郡桂川町で行われる、伝統的な獅子舞のイベントです。この魅力的な催しは、地元の老松神社で約660年間にわたって続けられてきた、地域文化の象徴ともいえる存在です。
土師の獅子舞は、福岡県無形民俗文化財に指定されている郷土芸能で、五穀豊穣と家内安全を祈願する目的で始まりました。その演目は中国からの渡航をテーマに、雄と雌の獅子が荒波を越えて日本へ辿り着く様子を舞で表現しています。このストーリーが、観客に悠久の歴史とロマンを感じさせます。
このイベントのユニークな点は、上土師地区と下土師地区が交代で舞を奉納するため、それぞれに特徴ある舞を体験できることです。この異なる舞を毎年楽しみにしている常連の観客も多く、地域の住民にとっても大切な行事となっています。
土師の獅子舞の最大の魅力は、優雅で力強い舞そのものです。2頭の獅子が見せる華麗な演技は、観る者を圧倒させる迫力を持っています。
また、舞の前には「まわり打ち」と呼ばれる子どもたちによる舞が披露され、五穀豊穣を願う純粋で心温まるパフォーマンスが観客を和ませます。この子どもたちのエネルギッシュな舞は、未来の獅子舞を担う存在として注目されています。
土師の獅子舞は、地域の文化と歴史を次世代に伝える重要な役割を果たしています。住民同士の交流や、新しい観光客との出会いを促し、地域活性化にも寄与しています。観客にとっては、福岡県の歴史と文化を一度に感じることができるまれな体験です。
土師の獅子舞は、毎年4月と9月に老松神社で開催されます。4月の開催時間は10:00から14:30まで、9月は14:00から15:00です。
アクセスは八木山バイパス「穂波東IC」から車で約15分、またはJR筑豊本線「桂川駅」から徒歩約30分が利用可能です。公共交通機関を利用する場合は、西鉄バス「下土師」で降りて徒歩10分程度となります。なお、駐車場はありませんので、公共交通機関の利用をお勧めします。
土師の獅子舞は、その壮大な歴史と美しい舞で訪れる人々を魅了します。福岡県の文化と伝統を深く体験できるこのイベントに参加し、過去から未来へと続く文化の流れを感じてみてください。特に地域行事や伝統芸能に興味がある方にとっては、忘れられない体験となることでしょう。
福岡県嘉穂郡桂川町大字土居424-1