宮島の対岸に位置する地御前神社で行われる「御陵衣祭(馬とばし)」は、武士の伝統行事「流鏑馬」を現代に伝える貴重なお祭りです。端午の節句となる旧暦5月5日に開催され、約780年の歴史を誇るこのお祭りは、見応え満点のイベントです。
「やぶさめ」として知られる流鏑馬は、馬に乗りながら弓で的を射る技術を競うものです。本来は鎌倉時代の武士が武芸の修練のために行っていた行事ですが、地御前神社では神事として現在まで続けられています。
馬に乗った射手が矢筒を背負い、走りながら的へ矢を放つ姿は、非常にダイナミックで迫力があります。厳島神社と同じく蘭陵王の舞楽も奉納されるなど、伝統的な要素が満載のお祭りです。
地御前神社は、かつて神の島として人が上陸できなかった宮島の対岸に参拝のために作られました。宮島・厳島神社の外宮でもあり、長きにわたり日本の伝統行事を守り続けてきた神聖な場所です。
お祭りの見どころは、まず祭典に続く蘭陵王の舞楽奉納。優美で厳粛な舞いは、800年もの歴史を感じさせます。その後の流鏑馬では、矢を放つ射手の技量と馬の俊敏さが楽しめ、まさに手に汗握る瞬間が訪れます。
御陵衣祭は地元の子どもたちにとっても特別な日。周囲には屋台が並び、祭り気分を盛り上げ、地域住民が待ち望む一大イベントとなっています。家々ではちまきやかしわ餅を作ってお祝いする風習も見逃せません。
「御陵衣祭(馬とばし)」は旧暦の5月5日に開催されます。これは現代のカレンダーで見ると毎年日付が異なりますので、事前に確認してから訪れると良いでしょう。
地御前神社へのアクセスは広島県廿日市市地御前5丁目18-9にあります。最寄りの交通手段は、JR山陽本線の「廿日市駅」から、バスまたはタクシーの利用が便利です。周辺には駐車場もありますので、車でのアクセスも可能です。
御陵衣祭(馬とばし)は、美しい日本の伝統と地域の文化が結びついた魅力的なイベントです。流鏑馬や舞楽など、他ではなかなか見られない貴重な体験ができるため、歴史や文化に興味のある方はもちろん、観光として訪れても楽しめる内容となっています。ぜひ訪れて、一年に一度の特別な祭りを体験してみてください。