広島県府中市中須町にある円福寺は、浄土宗の寺院です。この寺院は、浄土宗の西山深草派に属しており、建長三年(1251年)に円空上人が京都深草の里に真宗院を建立したことに始まります。後に、明治十六年(1863年)に廓空上人が第六十三世特命住職となり、三河地方に移転する話が持ち上がりました。
円福寺は、妙心寺と寺号を交換することになり、岡崎市岩津の妙心寺と寺号を交換した後、現在の地に移転しました。妙心寺は、寛正二年(1462年)に徳川家の祖といわれる松平信光公が建立した寺院で、同じく松平家出身の教然上人が開山です。
寺院にはいくつもの伝承があります。たとえば本尊さまは、法然上人御自作の「厄除如来」とされています。また、総門に彫刻されている「鯉の滝登り」は、有名な左甚五郎の作とされます。この鯉は五月になると総門を抜け出し、門前一帯の植田を荒らしていたといいます。
広島県府中市中須町1484