平井酒店

スポット概要

広島県安芸郡府中町大須にある平井酒店は、酒屋としての長い歴史を持つ老舗です。この店は、1658年に創業し、現在でも日本酒造りの伝統を守りながら営業しています。特に「浅茅生」という銘柄は、1677年に後水尾天皇の皇子、聖護院宮道寛親王から賜った和歌にちなんで名付けられており、代表的な銘柄として知られています。

店内は、時代を経るごとに増築された木造の建物が奥へ奥へと続いており、酒造りの大きなタンクが静かに並んでいる様子は、歴史の重みを感じさせるものです。また、桜の木でできた大きな槽や、地中に埋め込まれた巨大な釡もそのまま残されており、昔の酒造りの様子を偲ぶことができます。

現在、平井酒店は、夫婦で酒造りを続ける杜氏の平井弘子さんと将太郎さんが運営しており、伝統的な日本酒造りを守りながら、新しい試みも行っています。弘子さんは、大学で建築を学んでいたが、祖父の急逝をきっかけに家業に戻り、現在は酒造りに専念しています。将太郎さんは、根っからの日本酒好きで、酒造りに携わりたいと伏見で働いていた人物で、現在は夫婦で酒を探求する日々を送っています。