広島県廿日市市浅原にある法性寺は、地域に根差したお寺です。この寺院は、浄土真宗本願寺派に属し、山口県寄りの小高い山の中に位置しています。2016年に開設された支坊は、廿日市市前空にあります。
法性寺は、浄土宗西山派の尼寺でもあり、延長二年(924年)に藤原忠平が創建した藤原家の氏寺として栄えました。平安時代を通じて戦火で焼失するも、藤原家一門の加護を受けて発展し、忠平八代の末孫藤原忠通のころには、金堂、五大堂、灌頂堂、三昧堂等、百棟を数える堂塔伽藍が建てられ、京洛二十一ヶ寺の一つに数えあげられるほどの寺観と荘厳を具備した名刹であった。
現在の法性寺は、明治維新以後、旧名を継いで再建されたもので、本堂に安置する千手観世音菩薩像は、国宝に指定されています。この像は「厄除観世音」の名で知られており、忠通公が四十二才の時、難病にかかり、この観音様に祈祷した結果、数日にして回復されたという伝説があります。
広島県廿日市市浅原2254