道隆寺は広島県安芸郡府中町みくまりにある真言宗醍醐派の寺院で、四国八十八ヶ所霊場の第77番札所です。この寺院は和銅5年(712年)に創建され、当地の領主であった和気道隆公が誤って矢で射殺してしまった乳母の供養に桑の大木から薬師如来像を彫り、堂を建立したと伝えられています。
寺院の歴史は古く、創建当初は広大な桑園が広がっていたと伝えられています。道隆公の子である朝祐公は弘法大師に懇願し、弘法大師が90センチほどの薬師如来像を彫造し、本尊としたと伝えられています。以降、寺院は栄え、多くの高僧が住職となり、寺院の造営や仏像の彫造に尽力しました。
寺院には多くの文化財が残っており、広島県指定重要文化財の薬師如来坐像や、鎌倉時代の絹本著色「星曼荼羅図」などが所蔵されています。また、寺院の周囲からは古瓦や骨壷、古仏像の破片が出土しており、寺院の歴史の古さを物語っています。