広島県安芸郡府中町山田にある龍仙寺は、浄土真宗本願寺派に属する寺院です。十五世紀後期に蓮華寺の末寺として僧深澄によって建立されました。当初は真言宗であったが、大永三年(1523年)に浄土真宗に改宗しました。
龍仙寺は、府中町のお寺として五百年にわたって府中の精神文化を担っています。第八代住職釈了安が現在地に移転し、寛永十三年(1636年)に本山本願寺より阿弥陀如来木像が下附され、正式に本願寺末寺として寺号認許を受けました。
江戸時代後期には、第十四代住職釈大乗が学芸に通じ、頼春水・頼杏坪・頼山陽・菅茶山など多くの文人が来遊しました。文化6年(1809年)には、勘解由長官菅原長親が「龍宮海蔵」という額を書き残しています。