広島県広島市西区三滝山にある木造阿弥陀如来坐像は、重要文化財に指定されている仏像です。この像は、檜材を用いて寄木造りで作られており、漆箔が施されています。像高は85cm、膝張は73cmで、温和な風格が特徴です。
像の容姿は、肉髻が高く、白毫が小さく眉間の上方にあるのが特徴です。衣文は前期に見られる翻波式は見られず、来迎印を結んでいます。これらの特徴は、平安時代の仏像の標準形を示しています。特に肉髻を大きく作っている点は、河内・和泉あたりの地方特色です。
この像は、平安時代の仁平4年(1154年)に河内錦郡日野村(現在の大阪府河内長野市)の観音寺に寄進されたことが像内の墨書銘からわかります。定朝様の作風が漂うこの像は、広島県の文化財として保護されています。
広島県広島市西区三滝山411 三瀧寺境内