広島県広島市中区袋町にある広島市立袋町小学校は、1873年に開校した就将館を前身としています。1922年に袋町尋常高等小学校となり、1937年に鉄筋コンクリート造3階建ての校舎が新築されました。この校舎は、下足室や倉庫のある地下室と水洗便所やダストシュートを備えた近代的校舎で、横に連続した窓のある21の教室がありました。
1941年に袋町国民学校に改められましたが、1945年の原爆投下により木造校舎はすべて倒壊・全焼し、鉄筋校舎も外郭のみを残し、焼失しました。戦後、1946年に残った校舎の3階で授業が再開されました。
現在、袋町小学校は老朽化が進んだため取り壊されましたが、2002年に被爆した校舎の一部を保存し、袋町小学校平和資料館として生まれ変わりました。この資料館では、被爆者の消息を知らせる伝言が残された壁面や爆風で歪んだ鉄製のドアなど、貴重な被爆資料を展示しています。