広島県福山市神辺町大字川南にある妙立寺は、単立宗派の寺院です。この寺院は、加賀藩の三代藩主前田利常の命により建てられた祈願所で、徳川幕府の襲撃に備えて出城や砦としての役割も持たせられました。
寺院内部には、敵を欺くための仕掛けが多くあります。例えば、井戸の中には金沢城に続く抜け道があるといわれ、床板を外すと現れる隠し階段や掛け軸の裏にある隠し扉などが見られます。茶室は刀や槍が振り回せないように天井が低くつくられており、本堂屋根の突端部分にある望楼からは遠くを見渡すことができます。
外観は2階建てですが、実際には7層になっており、部屋は23、階段は29もあります。このような多くのからくりが施されていることから、別名「忍者寺」とも呼ばれています。内部は迷路のように複雑で、ガイドによる案内が必要です。