磐井神社は、東京都大田区大森北に鎮座する歴史ある神社で、創建は敏達天皇2年(573年)と伝えられています。平安時代には『延喜式神名帳』に記載され、武蔵国の八幡社の総社としての地位を持ちました。江戸時代には「鈴森八幡宮」とも称され、徳川将軍家の崇敬を受けたことでも知られています。
御祭神には応神天皇、大己貴命、仲哀天皇、神功皇后、姫大神を祀っており、特に安産や子宝、家内安全のご利益があるとされています。境内には、子獅子を6匹抱えた珍しい狛犬があり、子宝の象徴として親しまれています。
境内社には、万葉集にも詠まれたとされる「笠島弁天社」があり、東海七福神の一つとして弁財天を祀っています。また、「磐井の井戸」と呼ばれる霊水があり、心正しき者が飲めば清水となり、邪心ある者が飲めば塩水になるという伝承が残っています。この井戸は現在も神社前の歩道上に保存されています。
磐井神社では、月替わりの御朱印や一粒万倍日限定の御朱印など、多彩な御朱印が頒布されており、御朱印巡りを楽しむ参拝者にも人気のスポットです。また、例祭は8月の第1金・土・日曜日に行われ、地域の人々に親しまれています。