広島県三次市高杉町にある浄見寺は、真宗大谷派の寺院です。この寺院は、慶長16年(1611年)に大岡家の二代当主忠政が父忠勝の追善のために建立した浄土宗の寺院として知られています。山号は「窓月山」と呼ばれ、江戸時代の名奉行として知られる大岡越前守忠相を出した大岡家の累世の菩提寺でもあります。
浄見寺は、県指定重要文化財に指定されている金銅製六臂(腕が6本)の弁才天坐像を所蔵しており、室町時代作とみられています。また、寺林は県指定天然記念物で、スダジイ・タブノキ・モチノキなどの照葉樹が群生し、この地域のかつての自然林の面影を残しています。
大岡家一族墓所は市指定の史跡で、山門左の一段高いところにあります。元和元年(1615)にこの寺に改葬された初代忠勝の墓石をはじめとして、十三代まで一族累代の墓碑58基が整然と並んでいます。この中に五代目越前守忠相の墓もあります。