広島県三原市糸崎にある糸碕神社は、美しい景色と多くの文化財に恵まれた古い歴史をもつ神社です。旧称は糸崎八幡宮で、旧県社に指定されています。この神社は瀬戸内海に面し、長井の浦と呼ばれる風待ちの浦として『万葉集』にも詠まれています。
境内の東側には貢井(みつぎい)、又は御調井と呼ばれる井戸があり、社伝によれば神功皇后が長井の浦に船を繋ぎ、この井戸の水を求めた事に因んでその水を長井の水と称し、当地を長井の浦と称すと伝わっています。また、かつて広島県に存在した郡である御調郡も当神社の御調井が発祥であるという伝承があります。
糸碕神社は広島県内で最も古い神社とされており、天平元年(729年)に豊前国宇佐八幡宮より応神天皇の産髪を勧請した事に創まるといいます。古来朝野の崇敬を集め、かつては一宮と並ぶ社格を持つ別格神社として大氏宮と称され、中世には小早川氏や毛利氏、福島氏等の地方有力者の庇護を受けました。現在でもこの地方で船を新造した場合、まず当神社のお祓いを受け、その後大山祇神社へ向かうのが慣わしです。
広島県三原市糸崎8-10-1