広島県三次市粟屋町にある専徳寺は、浄土真宗本願寺派に属する寺院です。この寺院は、戦国時代には根来寺と手を結び、深い掘割を造り「城屋敷」や「城の谷」と呼ばれていたと伝わっています。天正5年(1577年)には織田信長の紀州攻めにより全焼したが、江戸時代前期に再興されました。
専徳寺は、江戸時代末期の名工「奈良利」の傑作である石造りの「天水桝」で知られています。この天水桝は本堂の両端にあり、力士像が四つの角を支える造りになっています。力士像はそれぞれ異なるポーズや表情をしており、生き生きとした生命力に満ちた表現が江戸時代の空気を今に伝えています。
寺院の歴史は波乱に満ちていますが、現在は浄土真宗の寺院として活動しています。江戸時代には学寮も設けられ、地方における学問が隆盛になりました。専徳寺はその歴史と文化を今に伝える貴重なスポットです。
広島県三次市粟屋町656-2