神奈川県川崎市にある川崎市岡本太郎美術館で開催された「第28回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」で、最高賞に輝いたのは、千葉県船橋市出身の仲村浩一さん(25)による作品です。彼の作品は、地元・千葉の海岸線を4年間かけて歩き続け、その砂を採取するというユニークなプロセスを経て制作されたものです。
「岡本太郎現代芸術賞」(TARO賞)は、新たな芸術の可能性を追求する若手アーティストを支援するために設立された賞です。多様なジャンルから応募があり、今回の賞では579作品から24点が選出され、展示されています。最高賞である岡本太郎賞は特に注目されています。
仲村浩一さんの受賞作「房総半島勝景奇覧/千葉海岸線砂旅行」は、彼の武蔵野美術大学の卒業制作として作られました。この作品は、千葉海岸の砂をセロハンテープで10歩ごとに採取し、その砂を張りつけた画用紙を160枚並べたものです。海岸ごとに異なる砂の色合いをグラデーションで表現することで、千葉海岸の自然美を独創的に再現しています。
仲村さんは、「千葉海岸線砂旅行」を通じて、千葉の海岸線を4年間かけて歩き、海岸ごとの砂を採取しました。この地道なプロセスを通し、彼の作品には千葉に対する愛情と執念が込められています。審査員の一人である山下裕二教授も、この執念と時間のかけ方に感動したと述べています。
「房総半島勝景奇覧」では、彼が見た千葉の風景や印象深い土産物などがアクリル絵具で描かれています。作品には採取した実際の砂も用いられており、シンプルな中に深い感情と地域への愛が表現されています。仲村さんは現在、東京芸術大学大学院でさらなる技法の研究を続けています。
岡本太郎現代芸術賞展は、川崎市岡本太郎美術館で4月13日まで開催されています。展示は月曜日が休館日ですが、一部日を除いて公開されており、一般観覧料は700円です。
美術館は神奈川県川崎市多摩区に位置し、公共交通機関でのアクセスが便利です。詳細なアクセス方法は美術館の公式サイトで確認できます。
仲村浩一さんの「房総半島勝景奇覧/千葉海岸線砂旅行」は、地域愛と芸術表現が融合した独創的な作品です。彼の作品を通じて、訪れる人々は新たなアートの可能性を感じることでしょう。また、展示会場である川崎市岡本太郎美術館では、他の入選作も観ることができ、芸術の多様性に触れる絶好の機会となっています。ぜひ訪れて、仲村さんの情熱と執念に触れてみてください。
神奈川県川崎市高津区二子1-4-1 二子神社内