広島県東広島市西条町西条東にある升屋表具は、伝統的な日本の手仕事や建築技術を守り、育み、受け継ぐことを目指した施設です。この施設では、県内の職人たちが研究会を結成し、伝統工芸や建築に特有の技術を研究・開発しています。例えば、雪吊りや加賀野菜、金沢町家特有の格子「木虫籠」など、地域の文化的特徴を活かしたデザインや素材を使用しています。
また、升屋表具では耐震化の重要性を啓発する活動も行っています。高齢者世帯が耐震補強工事に踏み切らない理由として、資金不足や跡継ぎがいないことが挙げられており、これらの問題に取り組むための啓発活動が行われています。具体的には、「ぶるる」という木造住宅の倒壊実験教材を活用した出前講座や「きっかけリーフレット」の作成など、地域住民の意識を高めるための様々な取り組みが行われています。
このような活動を通じて、升屋表具は地域の文化や技術を守り、育み、受け継ぐと同時に、地域住民の安全や生活の質を向上させることを目指しています。