吉川元春館跡は広島県山県郡北広島町海応寺に位置する歴史的なスポットです。この館跡は戦国時代の武将・吉川元春が晩年に築いた居館の跡であり、その庭園は国指定名勝に指定されています。吉川元春は毛利元就の重臣として有名で、中国地方の覇権争いに主力として活躍しました。
この館跡は1583年(天正11年)より造営が始まり、吉川元春が隠居所として使用する予定でしたが、完成を見ることなく翌年に死去しました。その後、吉川元長が家督を継ぎ、館は完成しましたが、1591年には山陰・月山富田城に拠点を移し、この館跡の役目は終了しました。江戸時代から近代にかけては田畑や森に埋もれていましたが、昭和の後半から平成年代にかけて発掘調査が行われ、建築や庭園の遺構が発掘されました。
現在、吉川元春館跡は「吉川元春館跡歴史公園」として広く公開されており、隣接する「戦国の庭歴史館」では吉川氏やこの庭園に関する資料が展示されています。この公園は北広島町の入口・千代田ICから北へ約10kmの距離にあり、訪問することができます。