広島県山県郡北広島町志路原にある浄土寺は、鎌倉時代のはじめに重源上人が建立した寺院です。この寺院は珍しい配置をしており、敷地中央に八幡神社があり、その前に池をはさんで浄土堂と薬師堂が向かい合っています。
浄土堂は大仏様という建築様式を用いた建造物で、東大寺南大門とともに大仏様を伝える数少ない建物です。浄土堂内には、全長5.3mの国宝・阿弥陀三尊立像があります。この像は名仏師快慶の作で、夕方になると西日が射し、床に反射して仏像は赤く染まっていきます。
浄土寺は四季によって様々な表情をみせ、春の桜、初夏のあじさい、冬景色などを楽しむことができます。浄土寺裏山には20種類、約3,000株のあじさいが散策道を鮮やかに彩り、四国八十八ヶ所めぐりができる林道もあります。訪れた人に幽玄な時間を演出してくれます。