喜久屋製菓有限会社

喜久屋製菓有限会社は広島県広島市南区堀越に位置するパン屋です。同社はブーランジェリー・ドリアン（Boulangerie deRien）として知られており、67年続く歴史を持っています。代表の田村陽至さんは28歳の時に実家を受け継ぎ、総菜パンや菓子パンなど40種類を手作りして評判の人気店になりました。

しかし、経営は苦しく、多くのパンを廃棄処分していたことがありました。モンゴルからホームステイに来ていた友人のアドバイスを受け、2012年にパン作りを学び直すためにヨーロッパへ旅立ちました。フランスやオーストリアでの1年間の修行を終えて帰国後、売り方を一新し、お店を再開しました。北海道十勝産の有機栽培小麦粉を使用し、パンは「カンパーニュ」と「ブロン」の2種類に絞りました。

この変更により、パン廃棄はなくなり、経営は安定しました。田村さんは「捨てないパン屋」として一躍、時の人となりました。2018年には同名の本を出版し、パン作りや働き方を工夫したお店をリスタートしました。