大山寺は広島県尾道市長江にある真言宗醍醐派の寺院で、詳名は米瑠山天神坊大山寺です。この寺院は、平安時代以降に山岳信仰の仏教化が進むにつれて寺院が増え、最盛期には100を超える寺院と3000人以上の僧兵をかかえるほどの一大勢力として栄えました。特に、江戸幕府より3000余石寺領をゆるされ、別格本山としてその隆盛を極めました。
大山寺は、養老2年(西暦718年)に金蓮上人が地蔵菩薩をお祀りし、修験道場として開かれましたが、貞観7年(西暦860年)天台宗第4代座主慈覚大師により天台宗に改められました。現在の本堂は昭和3年の火災で焼失したものを昭和26年に再建したものです。
大山寺は、文化財として国に登録されており、歴史的価値が高いと認められています。特に、3年ごとの5月に開催される「御幸」は、古の装束をまとった男たちや煌びやかな御輿が参道を練り歩く地方独特の時代行列で、長きに渡り受け継がれてきた伝統行事です。
広島県尾道市長江1-11-11