広島県尾道市東土堂町にある光明寺は、浄土宗西山禅林寺派の寺院です。山号は清浄山、院号は宝幢院で、備後路の古刹として知られています。瀬戸内水軍ゆかりの寺でもあり、歴史的に重要な役割を果たしてきました。
この寺院は、浄土宗の開祖である法然上人の念仏の産声を上げた地としても知られています。法然上人は、奈良へ修行に向かう途中でこの地に宿を借り、里人に親切にしてもらったという故事があります。承安5年(1175年)には、浄土宗を開き、この地を念仏の教えを最初に説く地として選ばれたと伝わります。
また、建久9年(1198年)には、蓮生法師(熊谷次郎直実)が「念仏三昧院」を建てたと伝わっています。蓮生法師は、源平合戦の一の谷の戦いで平敦盛を討ち取り、武士の無常を感じた後、法然上人を訪ねて仏門に入ったと伝えられています。