名荷神楽は、広島県尾道市瀬戸田町名荷にある名荷神社に伝承されている無形民俗文化財です。この神楽は、もとは荒神舞と称して、明治初年までは4年に一度の託宣を伴い荒神社の式年の神楽であったが、明治5年(1872)に神職が託宣行事に関与することを禁じられたため、神楽から託宣を除き、民間の人々によって十二神祇素神楽として今日まで伝承されてきています。
名荷神楽の演目には「悪魔祓い」「三宝荒神宮縄」「剣舞」「王子」などがあり、特に「三宝荒神宮縄」は、赤白の紙を着せた人形に神酒を注ぎ、その色のにじみ方で神意をうかがうもので、託宣神事の一部を伝えるものと思われます。この神楽は、室町時代から続く伝統的な神楽であり、五穀豊穣や家内安全を祈念して奉納されます。
名荷神楽は、尾道市瀬戸田町名荷神社で春の例祭に奉納されます。この神楽は、広島県の文化財として指定されており、4月の第1日曜日に一般公開されています。名荷神楽は、尾道市瀬戸田町の文化的遺産として大切に伝承されており、地域の伝統と歴史を感じることができます。