法宣寺は広島県福山市鞆町後地にある日蓮宗の仏教寺院です。山号は大覚山で、1358年(延文3年)に日蓮宗の高僧、大覚大僧正が鞆の浦に上陸し、法華堂を建立したのが始まりです。大覚大僧正は日蓮宗きっての実力者であり、後光厳天皇の信任も厚かった人物で、この地で説法を始めたことで、鞆の浦は西国法華布教の拠点となりました。
法宣寺は三備(備前、備中、備後)日蓮宗の重要寺院であり、江戸時代には朝鮮通信使の宿所にもなりました。寺院には加藤清正を祀るお堂があり、多くの参拝者を集めていました。清正公は死後、日蓮宗徒の間で治病除災の神として崇められています。
かつて法宣寺には国の天然記念物である「天蓋松」がありましたが、1991年夏に枯死しました。現在はその跡地に紅梅が生気を得て、新しい花の名所となっています。法宣寺は静かな場所にあり、自然と歴史がつつまれた寺院です。
広島県福山市鞆町後地1194-3