福成寺は広島県東広島市西条町下三永に位置する真言宗御室派の寺院です。寺院は標高500メートルの山上にあり、西条盆地を眼下に望む眺望が楽しめます。歴史は1300年以上にわたり、奈良時代神亀三年(726年)頃に開基された福納寺が前身です。
平安時代初めに弘法大師が立ち寄り、現在地に移転することを勧めたことから寺号が表白山福成寺に改められました。現在も残る「福成寺」と扁額の三字は弘法大師の書かれた御真筆と伝えられています。寺院は西条一族の氏寺となり、崇敬を集めていましたが、源平の戦禍で伽藍を焼失し、灰燼に帰しました。
その後、寺院は幾度となく火災に遭い、衰退しましたが、檀信徒や地元の方々の浄財による大修理で本堂が蘇り、今日まで法灯を絶やすことなく守り続けています。寺院には仁王門があり、18世紀中期に建立されたものです。現在も残る六所権現は、熊野権現、吉野権現、八幡大菩薩、日吉山王権現、厳島大権現、白山大権現の六体の権現を安置しています。
広島県東広島市西条町下三永