原爆死没者慰霊碑(広島平和都市記念碑)

広島県広島市中区中島町にある原爆死没者慰霊碑（広島平和都市記念碑）は、1945年8月6日に広島市が原子爆弾によって壊滅した後、平和都市として再建することを念願して設立された慰霊碑です。この碑は、埴輪（はにわ）の家型に設計されており、中央の石室には原爆死没者名簿が納められています。石棺の正面には、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれています。この碑文は、原爆犠牲者の冥福を祈り、戦争という過ちを再び繰り返さないことを誓う言葉であり、過去の悲しみに耐え、憎しみを乗り越えて、全人類の共存と繁栄を願い、真の世界平和の実現を祈念する「ヒロシマの心」が刻まれています。

この慰霊碑は、広島市が平和都市として再建することを念願して設立されたもので、広島平和都市記念碑という正式名称が付けられています。碑文の意味を正確に伝えるため、慰霊碑前の平和の池の中に、多言語（日本語、英語、フランス語、ドイツ語、ロシア語、イタリア語、中国語（簡体字）、ハングル）での説明板が設置されています。

広島市では、この慰霊碑を含む原爆関係の慰霊碑や記念碑を継承していくという観点から、市内にある207基の慰霊碑等の概要を取りまとめています。これらの慰霊碑は、原爆被害を受けた各地域や学校、職場等に関わりのある方々が、原爆犠牲者への慰霊、平和への祈りなどの思いを込めて設置されたもので、それぞれ大切な意味を持っています。