広島県呉市下蒲刈町下島にある朝鮮通信使資料館御馳走一番館は、江戸時代に朝鮮通信使が来日した際の歴史を紹介する施設です。この資料館は、明治中頃に建てられた富山県砺波地方の代表的な商家造りである「有川邸」を移築したもので、石置き屋根に豪壮な井桁組みを持つ重厚な建物です。
この資料館では、朝鮮通信使の来日に際し、下蒲刈島が藩の接待所・玄関口として大歓迎をした記録が多く残されています。特に「安芸蒲刈御馳走一番」といわれたほどの歓待ぶりで、往時の記録をもとに全国から集めた食材を使っての豪華な膳を忠実に復元した展示が圧巻です。また、通信使の行列人形を配したジオラマ模型や、当時の通信使を再現した等身大の人形、さらに精密に再現された1/10の朝鮮通信使船の模型など、往時をしのぶ資料を多数展示しています。
この資料館は、朝鮮通信使の歴史を紹介するために設立されたもので、ユネスコ「世界の記憶」に登録された資料も所蔵しています。特に「朝鮮通信使来朝図説」は、延享5年(1748年)に作成された紙本着色の巻子装で、朝鮮通信使の歴史を紹介する貴重な資料です。この資料館は、広島県呉市下蒲刈町下島2277-3にあり、松濤園の一部として運営されています。
広島県呉市下蒲刈町下島2277-3