広島県呉市豊町御手洗にある御手洗七卿落遺跡は、江戸時代に栄えた港町としての歴史的な価値を残す重要な文化遺産です。土地が狭いため数度にわたって埋め立てられたこの地区には、大小の商家、茶屋、船宿、住宅、神社、寺院などが混在し、集落中心路、集落連絡路、集落生活路(小路)等が網の目のように巡っています。また大波止、石橋、高燈籠、石垣護岸、雁木等、港町の生活上必要な土木的建造物が当時のまま現存しています。
この地区は17世紀の中頃に形成されて以来、江戸時代の約200年間を経て昭和初期に至るまで、瀬戸内海交通の中継港として、時代時代に応じた発展を示し、その痕跡を今も集落内に留めています。特に幕末期には薩摩藩と広島藩との密貿易の舞台となり、長州藩と広島藩が結んだ軍事協定(御手洗条約)が締結されるゆかりの地でもあります。
御手洗七卿落遺跡は、平成6年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。この選定は、江戸時代以来の町の形態や伝統的な建造物が数多く残されていることが評価されたものです。現在、地元の観光ガイドが歴史や文化について分かりやすく案内をしてくれます。
広島県呉市豊町御手洗225