日本の古代史に興味がある方々にとって、弥生時代の木製鎧「木甲(もっこう)」の特別公開は見逃せないイベントです。この鎧は数少ない出土品の中でも特に貴重なもので、その制作過程までうかがえる希少な資料です。
令和4年度の発掘調査で発見された、この弥生時代の木製鎧は保存処理が完了し、糸島市立伊都国歴史博物館で特別公開されることとなりました。鎧は弥生時代後期前半に作られたものとされ、特に興味深いのが完全に製作される前の未成品であることです。
今回公開される木製鎧は、後胴1枚と前胴2枚からなり、それぞれが当時の工芸品としての価値を高めています。木製鎧には「コの字形」の装飾が施されており、特に後胴には背面に反る羽根が付けられています。この羽根の形状は、当時の武人と司祭の双方の役割を果たしていた統率者を示唆しています。
弥生時代の木製鎧は非常に希少な出土品です。その中でも、特に未完成の状態で発見された物品は少なく、製作手順を知る上で非常に貴重です。このイベントに訪れることで、こうした貴重な文化財を間近で見ることができます。
この木製鎧の公開は、単なる展示以上の価値があります。倭国大乱と呼ばれる時代背景の中、「伊都国」の実態を知る重要な手がかりとなるからです。弥生時代の技術や文化、社会システムを知る上で非常に貴重な機会を提供します。
特別公開は令和6年7月26日(金)から開始され、開館時間は9時から17時までです(最終入館は16時30分)。休館日は月曜日ですが、祝日にあたる場合は翌平日が休館日となりますのでご注意ください。
会場は糸島市立伊都国歴史博物館の3階常設展示室、福岡県糸島市井原916にあります。お問い合わせは、電話番号 092-322-7083 にて受け付けております。
「【特別公開】弥生時代の木製鎧(木甲)」は、古代日本のリアルな姿を垣間見ることができる貴重な展示です。弥生時代の技術や文化における新たな発見をもたらし、訪れる人々に忘れられない体験を提供します。古代史に興味がある方も、まだ詳しく知らない方も、この特別公開を通じて歴史の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。
福岡県糸島市井原916