旧日本銀行広島支店は広島県広島市中区袋町にある歴史的建造物です。この建物は1936年(昭和11年)9月に完成し、鉄筋コンクリート造りの3階建てで、地下1階を有しています。古典様式の石張りの外観が特徴的で、当時としては非常に堅牢な造りでした。
1945年(昭和20年)8月6日、原爆の爆心地からわずか380mの距離にありながらも、建物自体は倒壊を免れましたが、内部の一部は焼失しました。特に3階は全焼し、20人が死亡しました。被爆当日は負傷者の臨時病室として使用され、翌々日には銀行の支払い業務が再開されました。
現在、旧日本銀行広島支店は広島市の重要有形文化財に指定されており、一般公開されています。建物内部には、被爆の痕跡が残る腰板や床の寄木張り、豪華なマントルピースなどが現存しています。また、地下1階には広島県人の移民に関する資料が常設展示されています。この建物は、広島の歴史と復興を物語る貴重な文化財です。
広島県広島市中区袋町5-21