広島市平和記念公園レストハウスは、原爆ドームと平和記念公園を結ぶ元安橋のたもとに位置し、被爆前の面影を残す唯一の建物です。このレストハウスは、1929年に「大正屋呉服店」として建設され、戦時中は「燃料会館」と呼ばれ、1945年の原爆投下時には37人が勤務していたが、全員が亡くなりました。建物内部も激しく損傷しましたが、基本的形態はとどめていたため、その後は市の東部地域の復興拠点となる広島市東部復興事務所として活用され、1982年からは平和記念公園レストハウスとして整備され、憩いの場となりました。
現在のレストハウスは、1階に観光案内所と売店、2階に被爆ピアノを設置した休憩・喫茶ホール、3階には中島地区の移り変わりやレストハウスの歴史を展示するスペースがあり、被爆の実相を伝え、平和の思いを共有する場となっています。特に、被爆70周年事業の一環で行われた改修事業により、地上部分を「旧大正屋呉服店」の姿に近づけること、館内に被爆前の中島地区の関係資料などを展示するスペースを設けることで、建物の歴史的特性を生かしています。
レストハウスでは、広島土産や平和記念公園土産の販売も行っており、多目的室も併設されています。広島市平和記念公園に観光などで訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてください。
広島県広島市中区中島町1-1